人類が文化的な創造をし始めたのは七万年前だということです。どうやら七万年前に脳の前頭前皮質に起こった奇妙な突然変異が、時間を相対的に把握する能力を人間に与えたといわれています。つまり人類はそのことがあってから、過去を悔やみ、未来に不安を抱くようになったのだということです。
今日は食べ物が豊富にあったとしましょう。七万年よりも前の人々は、それを素直に喜んだでしょう。当時の人々は「今を生きる」ことができていた、と思われるのです。
しかしそれよりあとの人間たちは、過去にひもじい思いをした経験を思い出して「いま目の前にある豊富な食料は明日もあるとは限らない」と思い不安にかられるのです。その不安感に強く駆り立てられて人間はさまざまなものを作り始めました。備蓄をするようになり食品加工が始まりました。すべてを食べきることをやめて、残した種を地面に蒔きました。農業による再生産が始まったのです。そしてそのためにたくさんの道具を作ったわけです。さらにそうしたなりわいが着実な成果をもたらすように祈りを行い始めました。宗教の誕生です。さらにはそうした一連のことを効率的に運用するために、組織を作り分業をするようになりました。その結果が現代の私たちの生活なのです。
こうして私たちは今を生きることをやめ、七万年が経ちました。
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